プロの流儀

栽 培

 

自根のぶどう樹はヴィティス・ラブルスカ種を台木にしているぶどう樹と比べて、病害虫の危険にさらされる率は高いわけですよね。双方を比較した場合のそれぞれのメリット、デメリットについて教えてください。
病気?味わい?自根のほうが凝縮感がある?

自然酵母はどこからくるのですか?

自然酵母はぶどうだけですか?


強いフィロキセラ抵抗性をもち、台木として使われてきたのは、ヴィティス(以下V)・リパリア種、V・ベルランディエリ種、V・ルペストリス種の3種です。いずれも、北アメリカ原産のぶどう品種です。また、それぞれを交雑して作った品種も、良く台木として使われます(101−14や3309 、SO4、5BBなど、番号で呼ばれるものが多い)。
V・ラブルスカ種の抵抗性は、上記の3種+交雑種ほど強くありませんので、台木にはあまり使われません。

接 木   自 根
樹勢強い
  樹勢弱い
収穫量多目   収穫量少ない
植栽密度は最大1万本/ha程度   4万本くらいまで
フィロキセラにかかりにくい   フィロキセラにかかりやすい
苗代が高い   苗代は安い(ほとんどかからない)
土壌によって適した台木を選べる   合わない土壌には植えられない


と言ったところでしょうか。どちらに凝縮感があるかどうかは微妙なところです。 自根で50年くらいたてば、非常に凝縮感が出るでしょうが、その前に枯れそうです。 ちなみに、砂地では今でも自根で育てることができます。

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酵母は自然界に多くいます。アルコールに強い酵母もいますし、弱い酵母もいます。自然界の酵母は、ぶどうが熟してくると果皮の表面で増えます。酵母はぶどう畑の土壌などで生育しています。これが、ホコリにくっついて、空気中を浮遊し、ぶどうの果皮に到達するようです。

ワインの発酵のあとの果皮には、アルコールに強い酵母がたくさんいます。これを肥料として畑に入れると、アルコールに強い酵母がぶどう畑の土壌で増えます。これが、翌年またホコリにくっついて、ぶどうの果皮に到達します。このサイクルの繰り返しで、ぶどうの果皮の表面には、だんだんとアルコールに強い酵母が増えていくと考えられます。

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もちろん、他の果物や野菜にも酵母がついています。パンを焼くときに、パン種を作りますが、リンゴやニンジンを使って自然酵母を増殖させ、イーストとして使うことがあります。”天然酵母パン”と呼ばれますね。

自然界の酵母は、糖を養分として増えます。果物の皮の表面には、少しですが糖分があります。畑で熟していく過程で、表面で酵母が少し増え、それをすりおろしたりすると、果肉の部分に含まれる糖分で、たくさん増えるということです。

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